誤読と曲解の映画日記

映画鑑賞日記です。

家族・夫婦・兄弟・姉妹を描いた作品

自分の手で少しずつ変化を|バグダッド・カフェ

自分の手で少しずつ変化を|バグダッド・カフェ:目次 大晦日に慌てて 『バグダッド・カフェ』について 修理が必要なコーヒーマシン 勝手に掃除されちゃ 驚きを伴った変化 参考リンク 大晦日に慌てて この年末の大晦日で、アマゾン・プライム・ビデオの『バ…

夜明けの光の中に/『ダウントン・アビー(映画版)』

『ダウントン・アビー(映画版)』の感想。一筋縄ではいかない屈折した人間関係が織りなす壮大なドラマの映画版。「みんないい人になったなあ」と思いながらも、時代の変化の荒波にもまれるダウントン・アビーの将来に、希望の光を見出す物語となっている。

親指をしゃぶる自分を飾らずに世界にさらせ/『サムサッカー』

親指をしゃぶる自分を飾らずに世界にさらせ/『サムサッカー』:目次 じんわりとしたさわやかさをもたらす物語 ただ、親指をしゃぶる癖が抜けないだけ ジャスティンを取り巻く普通の平凡な大人たち ありのままの自分を飾らずに世界にさらすこと 映画の概要・…

もう二度と取り戻せないであろうものを描く物語/『ゴスフォード・パーク』

もう二度と取り戻せないであろうものを描く物語/『ゴスフォード・パーク』:目次 もう二度と取り戻せないであろうものを描く物語 その消滅は避けられない わずかな希望のようなもの 映画の概要・受賞歴など 参考リンク もう二度と取り戻せないであろうもの…

世界の悲惨に想いを馳せ、その悲惨さから目をそらすな/『おやすみなさいを言いたくて』

世界の悲惨に想いを馳せ、その悲惨さから目をそらすな/『おやすみなさいを言いたくて』:目次 絶望的な気分が支配するが、かすかな希望も見出せる物語 理解と共感が救いとなる アフリカの銃声がアイルランドの家族を引き裂く 破壊されなかった信頼関係 世界…

すべての荷物を投げ捨てて/『ダージリン急行』

すべての荷物を投げ捨てて/『ダージリン急行』:目次 ここから逃げ出すことはできないからこそ 「僕たちの居場所は不明」 子どもの死をきっかけに すべての荷物を投げ捨てて 映画の概要・受賞歴など 参考リンク ここから逃げ出すことはできないからこそ ひ…

どこまでも居心地が悪く、その不安定さに苛立つ物語/『マーゴット・ウェディング』

どこまでも居心地が悪く、その不安定さに苛立つ物語/『マーゴット・ウェディング』:目次 居心地の悪い物語 不安定で苛立つ姉妹 問題や災厄をもたらすだけの人々 再生の可能性がほんの少しだけ 映画の概要・受賞歴など 参考リンク 居心地の悪い物語 映画『…

パーティーの余韻が残る庭/『レイチェルの結婚』

傷を抱えながらもより良い人生を選べることを描く 映画『レイチェルの結婚』は、ある一家が結婚式を迎えるまでの数日前をドキュメンタリータッチで描く作品。結婚式という家族にとって人生で重要な日を迎えるまでの数日間を描きながら、家族や姉妹の抱える葛…

どんなに背伸びをしようとも/『おいしい生活』

展開が目まぐるしく変わるコメディ 映画『おいしい生活』は、パッとしないコソ泥のレイと、その妻のフレンチーの物語。自らを天才的な犯罪者だと思っているレイは、完璧な銀行強盗の計画を立てる。それは、銀行近くの空き店舗を借りて、表向きの商売をやりつ…

青い空が戦争の傷跡を見つめる/『長屋紳士録』

心にさざ波を立てる作品 映画『長屋紳士録』は、東京の下町を舞台にした”拾い子"をめぐる人情劇。現代のわたしたちの目から見ると、”拾い子”を引き取ったおたねが男の子へ向けるまなざしは、時に冷たく感じるほどにドライだ。だからこそ、後半になってようや…

救いようのない泥沼の中のかすかな希望のようなもの/『イカとクジラ』

家族関係がきりきりと音を立ててねじれていく 映画『イカとクジラ』は、もともとこじれかけていた家族が、母親の浮気をきっかけに空中分解してしまい、さらに家族関係がきりきりと音を立ててねじれていく過程を描く。物語は最後まで家族の抱える問題がこじれ…

嘘と煙/『スモーク』

凹凸を抱える人間が紡ぎ出す物語 映画『スモーク』は、アメリカの作家ポール・オースターが脚本を書いた作品。ニューヨーク・ブルックリンの街角にあるタバコ屋を主な舞台に、タバコ屋を営むオーギーや店にやってくる客たちが織り成す物語。タバコ屋を営むオ…