誤読と曲解の映画日記

映画鑑賞日記です。

もう二度と観ることのない映画/2017年5月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』/2017年5月のまとめ:目次 もう二度と観ることのない映画 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ 『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ 管理人からのお知らせ:Amazonほしい物リスト もう二度と観ることのない映画 「もう二度と観…

喜びのために生きよう! 踊って歌うために!/『ジミー、野を駆ける伝説』

喜びのために生きよう! 踊って歌うために!/『ジミー、野を駆ける伝説』:目次 束の間の自由さえ抑圧されてゆく 歌とダンスは自由の象徴 そこでなら誰もが善良になる 喜びのために生きよう! 踊って歌うために! 自由を求めて野を駆ける 映画の概要・受賞…

無心の赤ちゃんが大人たちの愚かさや未熟さを浮かび上がる/『赤ちゃん泥棒』

無心の赤ちゃんが大人たちの愚かさや未熟さを浮かび上がる/『赤ちゃん泥棒』:目次 愚かしいことに身を委ねてしまわないとたどり着かない場所 エドを縛り付けていた鎖 完全な悪には染まっていない人間 愚かさや未熟さを抱えた自分と決別 映画の概要・受賞歴…

ゴールデンウィークに突入/2017年4月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』/2017年4月のまとめ:目次 ゴールデンウィークに突入 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ 『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ 管理人からのお知らせ①:『週刊はてなブログ』で紹介されました 管理人からのお知らせ②:Amazon…

ハッピーエンドとバッドエンドが交錯する物語/『ブロードウェイと銃弾』

ハッピーエンドとバッドエンドが交錯する物語/『ブロードウェイと銃弾』:目次 本物のアーティストとは 柔軟性とそれを受け入れる勇気を持つこと ハッピーエンドとバッドエンドが交錯する物語 映画の概要・受賞歴など 参考リンク 本物のアーティストとは 映…

ウイスキーに導かれて/『天使の分け前』

ウイスキーに導かれて/『天使の分け前』:目次 後悔にも似た感情を抱いて物語を見つめる 仲間と、そしてウイスキーとの出会い 罪を抱えたからこそ、一歩ずつ自分の歩むべき道を見定める 天使の分け前 映画の概要・受賞歴など 参考リンク 管理人からのお知ら…

映画はある種のタイムカプセル/2017年3月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』/2017年3月のまとめ目次 『男はつらいよ』に映し出される半世紀近く昔の風景 映画はある種のタイムカプセル 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ 管理人からのお知らせ①:更新日の変更について 『誤読と曲解の読書日記』今月のま…

ぱっとしないけれど、シリアスでリアルな日常/『ナポレオン・ダイナマイト』

ぱっとしないけれど、シリアスでリアルな日常/『ナポレオン・ダイナマイト』 ぱっとしないけれど、シリアスでリアルな日常 友達と出会うことから成長ははじまる 努力は惜しまず機転を利かせる タイムマシンを買って 映画の概要・受賞歴など 参考リンク ぱっ…

運命がつかさどるよりもずっと奇妙なことが、この世界では起こりうる/『誘惑のアフロディーテ』

運命がつかさどるよりもずっと奇妙なことが、この世界では起こりうる/『誘惑のアフロディーテ』:目次 「理想的な」母親探しに奔走する物語 自分の人生にうんざりしていたリンダ 予言を振り払って、自分の信念に突き進むレニー 一歩間違えれば壊れてしまい…

「コンプレックス」が原動力/2017年2月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』:2017年2月のまとめ目次 「コンプレックス」が原動力 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ 『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ 管理人よりお知らせ:Amazonほしい物リストをつくりました 「コンプレックス」が原動力 そもそも…

"YES"は前に進むためのスイッチ/『イエスマン "YES"は人生のパスワード』

"YES"は前に進むためのスイッチ/『イエスマン "YES"は人生のパスワード』:目次 不思議な説得力のある物語 「YES」と言った先に 行動を促すためのスイッチ 映画の概要・受賞歴など 参考リンク 不思議な説得力のある物語 人生は決断の連続だと言える。大きな…

永遠に叶うことのない夢/『サンセット大通り』

永遠に叶うことのない夢/『サンセット大通り』:目次 もがきながら進む方向が誤っているゆえの破滅 永遠に叶うことのない夢を抱いた人間たち 破滅へのレールを敷いたマックスとベティ ひどく間違ったやさしさと愛情 太陽が沈み、夜の闇が訪れる『サンセット…

ハズレを引くこと/2017年1月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』:2017年1月のまとめ目次 ハズレを引くこと 『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ 『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ ハズレを引くこと 1月も最終日になりましたが、今年最初の今月のまとめです。今年もよろしくお願いいたしま…

ひどく手遅れだったのかもしれないが/『トト・ザ・ヒーロー』

ひどく手遅れだったのかもしれないが/『トト・ザ・ヒーロー』:目次 自分で自分の人生に評価を下してはいけない 誰とも思い出を分かち合うことができなかったトマ 悲しみを抱いているからこそ ひどく手遅れだったのかもしれないが 映画の概要・受賞歴など …

孤独なふたりでしか成り立ち得ない愛/『レオン 完全版』

孤独なふたりでしか成り立ち得ない愛/『レオン 完全版』:目次 孤独なふたり このふたりでしか成り立ち得ない種類の愛情 「根が地面についてない」 ようやく地面に根を下ろす 映画の概要・受賞歴など 参考リンク 孤独なふたり 映画『レオン 完全版』は、多…

2016年映画日記ブログ アクセス数ランキングとおすすめ記事/12月と2016年のまとめ

ブログをはじめて1年が過ぎました こんにちは。『誤読と曲解の映画日記』管理人の”のび”です。 さて、このブログを今年の1月に立ち上げてから、1年が経とうとしています。もともとは、せっかく映画を観たのだから、映画を観ながら抱いた感想や疑問などを忘れ…

邪悪な存在に絡め取られた才能/『バートン・フィンク』

バートンの才能を削り取った三人の男たち 映画『バートン・フィンク』は、ひとりの才能あふれる劇作家の若者が、邪悪な存在に触れ続けてしまったことで、その邪悪さにからめ取られてしまった物語と言えるだろう。ひとりの才能あふれる若者は、永遠に凡庸の枠…

想像力と支配欲の先にあるグロテスクさが物足りない/『ルビー・スパークス』

想像から生まれた”理想の恋人" 映画『ルビー・スパークス』は、支配欲にとらわれた人間が、痛い目にあって成長する物語だと言えるのかもしれない。主人公のカルヴィン・ウィアフィールズは小説家。デビュー作は大ヒットしたけれども、今ではスランプに陥り、…

フィデルのせいで/2016年11月のまとめ

映画『ぜんぶ、フィデルのせい』 先日、キューバの前国家評議会議長フィデル・カストロ氏が亡くなりました。フィデルは言うまでもなくキューバ革命を起こした革命家です。熱狂的な支持から独裁者としての批判まで、革命を成し遂げた政治家には毀誉褒貶が付き…

虚栄心とプライド、そして破滅/『ブルージャスミン』

希望など、どこにも見出せない 映画『ブルージャスミン』は、落ちぶれたセレブがさらに救いようのないところまで落ちてゆくのを描く物語だ。ウォッカと精神安定剤を常に手にするジャスミンの、華やかな過去と痛々しい現実を対比させながら物語は進む。ひとこ…

パーティーの余韻が残る庭/『レイチェルの結婚』

傷を抱えながらもより良い人生を選べることを描く 映画『レイチェルの結婚』は、ある一家が結婚式を迎えるまでの数日前をドキュメンタリータッチで描く作品。結婚式という家族にとって人生で重要な日を迎えるまでの数日間を描きながら、家族や姉妹の抱える葛…

想像力をいったん脇に置いていても/2016年10月のまとめ

戯曲を読むのが苦手 最近、ちょこちょこっとシェイクスピアの作品を読み返しています。昔読んだものを読み返したり、今になって初めて読んだりするものもあります。みなさんご存知のように、シェイクスピアの”作品"を読むことは、戯曲を読むことですね。戯曲…

歯ブラシとタバコとわずかな持ち物/『コントラクト・キラー』

ずれたところだらけの物語 映画『コントラクト・キラー』。ロンドンの水道局に15年間勤めた主人公のアンリは、ある日突然、人員整理の対象となって解雇されてしまう。人生に希望を見い出せなくなったアンリが、自殺を決意するところから、この物語ははじまる…

どんなに背伸びをしようとも/『おいしい生活』

展開が目まぐるしく変わるコメディ 映画『おいしい生活』は、パッとしないコソ泥のレイと、その妻のフレンチーの物語。自らを天才的な犯罪者だと思っているレイは、完璧な銀行強盗の計画を立てる。それは、銀行近くの空き店舗を借りて、表向きの商売をやりつ…

うぉぉぉ!!! ウ◯コまみれのトイレきたねぇぇぇ!!!/『トレインスポッティング』

断ち切ることを描いた映画 映画『トレインスポッティング』は、ヘロイン中毒の青年マーク・レントンが、クスリを立って新しい人生を切り開こうと奮闘する姿を描く物語。もちろん、薬物を断つのは一筋縄ではいかないので、そこに苦闘があり葛藤がある。ドラッ…

わたしが映画館に行かない3つの理由/9月のまとめ

邦画のヒット作が多い2016年 今年は(と言っても、まだ3か月残ってますが)、Twitterのタイムラインを見ていても、映画館に足を運んだ人をよく見かけますね。『ちはやふる』『シン・ゴジラ』『君の名は。』などのヒット作に恵まれたことが大きいのだろう。折…

一瞬しか訪れないからこその幸福と愛情/『きみに読む物語』

物語の読み聞かせ 映画『きみに読む物語』は、純愛を貫いたひと組のカップルの生涯を描く。恋愛ものでそれも純愛の物語なので、設定やストーリー展開も定型的ではある。しかし、他の凡百の恋愛ものや純愛ものと一線を画すのが、認知症の老婦人に高齢の男性が…

現実と非現実の曖昧な境目/『スイミング・プール』

現実と非現実との曖昧な境目 映画『スイミング・プール』は、主人公のミステリ作家サラが過去の自分と決別し、新しい自分に生まれ変わる軌跡をたどる物語だと言えるのかもしれない。少なくともわたしはそんな印象を持った。『スイミング・プール』は、倦怠を…

大いなる徒労と疲弊/『ビッグ・リボウスキ』

虚構と現実が入り乱れる物語 『ビッグ・リボウスキ』は、誘拐事件を軸にしたコメディ映画。ただ、物語はまっすぐに進まない。必ず肝心なところで別の方向へ進むようにねじ曲げられ、ゆがめられてしまう。混乱に拍車がかかり、虚構の上に虚構が重なり、混沌が…

不思議で魔術的な魅力/8月のまとめ

人はなぜ、映画を観るのだろうか 人はなぜ、映画を観るのだろうと、ふと思った。 当たり前だが、人が映画を観る理由など、人の数だけある。質問を変えてみる。わたしはなぜ映画を観るのだろう。 これなら、なにかしらの答えが見えてくるだろう。 わたしの場…