雑多で取り留めのない現実だからこそ|ブルー・イン・ザ・フェイス
雑多で取り留めのない現実だからこそ|ブルー・イン・ザ・フェイス:目次
- 捕まえたひったくり犯
- 自分なりのスジ
- 雑多で取り留めのない現実
- 『ブルー・イン・ザ・フェイス』について
- 参考リンク
捕まえたひったくり犯
たとえばあなたが道端で知り合いと立ち話しているとき、道の向こうで若い女性がバッグをひったくられたと叫ぶのが聞こえる。そのすぐあとにあなたのそばをバッグを持った犯人が走り去ってゆく。
正義感みたいなものに突き動かされ、あなたはその犯人を追いかけ、あっさりと捕まえる。ひったくりの犯人は、まだほんの子ども。日本で言えば小学校4、5年生といったところ。追いついた若い女性があなたの捕まえた犯人の姿を見て驚く。
犯人を捕まえたあなたは子どもとは言え、ひったくりの犯人なのだから、警察に突き出すと主張。善悪というものを教え込まなきゃいけないから。
一方、若い女性はバッグも取り戻したんだし、犯人はまだほんの子どもだから許してあげてほしいと、あなたに告げる。そんなとき、あなたならどうするだろうか?
自らの欲望に忠実になること/『ラブ&ポップ』
自らの欲望に忠実になること/『ラブ&ポップ』:目次
- 個人的な欲望に忠実な存在
- 現金と引き換えに入手できる記号
- 思った時に始めたり手に入れたりしないとダメ
- 個人的な欲望に突き動かされている
- 映画の概要・受賞歴など
- 参考リンク
個人的な欲望に忠実な存在
本作のテーマは「自らの欲望に忠実になること」だろう。
しかし、本作に出てくるような男たちが自らの欲望に忠実になると、それらはことごとくヤバい性癖となり、同時にことごとく記号としての「女子高生」の消費に直結してしまう。
それに対して、本作に出てくる女子高生はみな個人として生きている姿が対照的に描かれている。少なくとも、記号としての女子高生の姿を演じながらも、個人的な欲望に忠実な存在と描かれるのだ。
※以下、ネタバレ的な要素が含まれている場合があります。
「オフビートな笑い」がわからない
「オフビートな笑い」がわからない:目次
- 「オフビートな笑い」とは何か?
- 言いたいことはわかるけど
- じわじわとくる可笑しみ
- 参考リンク
「オフビートな笑い」とは何か?
ある短編小説集の解説を読んでいたとき、たまたま「オフビートな笑い」という言葉に出くわした。
作者の特徴のひとつとして、「オフビートな笑い」が挙げられていたのだ。それでふと、疑問に思ったのだ。「オフビートな笑い」とはなんぞや? と。
「オフビートな笑い」という表現、現状では使用例の95%くらいが映画の紹介や批評の場で使われている(当社調べ)。むしろ、映画以外での使用例などほとんど見聞きしたことがない。
そのため、本の解説に予期せず「オフビートな笑い」なる表現が出てきたので、気になったのだ。
※以下、ネタバレ的な要素が含まれています。