誤読と曲解の映画日記

映画鑑賞日記です。

映画はある種のタイムカプセル/2017年3月のまとめ

『誤読と曲解の映画日記』/2017年3月のまとめ目次

男はつらいよ』に映し出される半世紀近く昔の風景

最近、渥美清主演の『男はつらいよ』シリーズを第1作から順に観ています。1、2週に1本のペースですが、アマゾン・プライム・ビデオにシリーズが入ったのをきっかけに観ています。

男はつらいよ』のストーリーは、旅から浅草に帰ってきた寅さんがドタバタ騒動を巻き起こす、出会った美女に寅さんがすぐに恋に落ちるけれども、失恋してしまう、というワンパターンといえばワンパターンなストーリーですが、寅さんの口上とストーリーのテンポの良さで、なかなか楽しんでいます。

ところで、この『男はつらいよ』、第1作の公開は1969年8月と、今から約半世紀近くも昔のことなんですね。つまりは、実に半世紀近く前の日本の姿を映像に残していると言っても良い。

だから、そこに映し出される風景や道具が、今の感覚から見るとずいぶんと古いものに見えます。そもそも蒸気機関車が現役で走っているし、黒電話や公衆電話を日常的に使っています。寅さんが旅先から浅草へと掛ける遠距離の電話となると、公衆電話に十円玉をチャリンチャリンと、実にせわしなく投入し続けながら会話をしなきゃいけない。

道路だって、今のように日本の隅々までアスファルトで舗装された道路が走っているわけでもなく、車がスピードを出して走ると、土ぼこりや砂煙がもうもうと立ちこめたりします。

映画はある種のタイムカプセル

今から考えると、まるで別世界みたいですが、そこに映し出されているのは、約半世紀近く前の日本の姿だったわけです(もちろん、いくらかはセットなどの人為的に作り出した光景なものでしょうけれども)。

昔は良かった、あるいは悪かったという話をするつもりはありません。ただ、その当時は、そういった風景が日常として人々の身のまわりにあった。そんな風景が、タイムカプセルみたいに映画の中に保存されている。その保存された風景を、今日のわたしたちが目にしているというわけです。とすると、映画というものはある種のタイムカプセルみたいなものだとも言えそうです。

さて、2017年現在の日本の、今ここにある風景は、半世紀後には大きく変わっているでしょう。その現在の日常風景を、半世紀後にまで作品の中に残せそうな日本映画は、果たしてどれくらいあるだろうかということを考えてしまって、少しだけ不安を覚えました。

わたしが知らないところで、優れた日本映画の作品が上映されていると信じたいですが。

それでは、『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめです。

『誤読と曲解の映画日記』今月のまとめ

2017年3月に更新した『誤読と曲解の読書日記』記事は2本でした。

3月4日更新:運命がつかさどるよりもずっと奇妙なことが、この世界では起こりうる/『誘惑のアフロディーテ
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20170304/1488625200

この物語のラストは、こういう幸福のかたちがあるのかと思わせる。知らないこと、知らせないことが、今ここにある幸福を最大にさせると、レニーとリンダは互いに確信しているからこそ、このようなラストシーンが成り立つのだろう。すべては運命がつかさどるよりもずっと奇妙なことが、この世界では起こりうるのだと思わせるラストシーンだ。


3月18日更新:ぱっとしないけれど、シリアスでリアルな日常/『ナポレオン・ダイナマイト
記事リンク:http://nobitter73.hatenablog.com/entry/20170318/1489834800

ぱっとしないけれど、シリアスでリアルな日常。そんな日常の中で本人たちは必死だが、どこかずれている。それはある意味では、わたしたちの日常そのものだ。だからこそ、はじめは違和感や不安を抱きながら物語を眺めていても、わたしたちは少しずつ目の前の物語に引き込まれ、いつの間にかナポレオンたちを応援し、喜怒哀楽をともにしているのだ。


それぞれの記事には、yahoo!映画と映画.com、そしてFilmarksへのリンクがあります。あらすじなどの参考にどうぞ。

管理人からのお知らせ①:更新日の変更について

映画ブログ『誤読と曲解の映画日記』は、2016年1月の開設時から、毎月第1土曜日と第3土曜日の月2回、定期的に映画の感想についての記事を更新してきました。

2017年4月の更新からは、これを毎月第2土曜日と第4土曜日の更新に変更します。今月のまとめは、変わらず毎月末の更新、あとは祝日などに臨時に更新することもあるのは変わりません。

理由は、カレンダーの並びの関係で、たとえば今月のまとめを今月の最後の金曜日に更新すると、その翌日は次の月の第1土曜日となり、更新が連続になってしまうからということです。ちょうど、今年の3月31日と4月1日の並びのように。

もともとは、毎月第3土曜日とその翌月の第1土曜日との更新間隔が空いてしまうからという理由で、今月のまとめをはじめたのですが、カレンダーの並びの関係で、上記のようになってしまう場合もときどき起こってしまうので。

そういうわけで、4月から更新日が少し変わりますが、これからもよろしくお願いします。

『誤読と曲解の読書日記』今月のまとめ

『誤読と曲解の読書日記』は、管理人の”のび”が運営する、読書の感想を書くブログです。ご興味がありましたら、ぜひご笑覧ください。2017年3月に更新した『誤読と曲解の読書日記』記事は4本でした。今月は読書の感想以外にも、文具についての記事と、はてなブログの「今週のお題」に参加した記事もありました。


3月8日更新:鮮やかな色使いの新しいペンケース/UNITED BEES ペンケース
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/03/08/200000

数年ぶりに新しく購入したペンケースについての記事です。鮮やかなイエローの色をした帆布製のペンケース。コンパクトで気に入っています。


3月21日更新:飛び跳ねる野心に跳び乗って、行き着くところまで駆け抜ける/W・シェイクスピア福田恆存訳)『マクベス新潮文庫
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/03/21/200000

シェイクスピアの『マクベス』は、スコットランドの武将マクベスが、心の奥底に抱いていた野望に気づき、その野望に従って次々に悪を重ねていく物語。人間の悪や罪、それに弱さやもろさを描き出す物語だとも言える。


3月25日更新:靴紐をうまく結べない自分を正当化し続けてきた人生にサヨナラを告げたスニーカー/今週のお題:お気に入りのスニーカー
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/03/26/090000

はてなブログを開設して、はじめて参加した「今週のお題」の記事です。新しいスニーカーを購入して、これまで靴紐をうまく結べなかったことを、とりあえずは克服したという記事です。


3月29日更新:疑問を抱き、言葉にして問い続けること/国谷裕子『キャスターという仕事』岩波新書
記事リンク:http://nobitter73.hatenadiary.jp/entry/2017/03/29/200000

本書は、NHK総合の報道番組〈クローズアップ現代〉のキャスターを、1993年から2016年まで23年間務めてきた国谷裕子氏が、「キャスターという仕事」にいかに真摯に向き合ってきたかがわかる一冊。自身のキャスターとしての経験を踏まえながら、テレビへの危機感を訴える本だ。


それぞれの記事には、それぞれの本について、出版社ホームページとブクログへのリンクがあります。

管理人からのお知らせ②:『週刊はてなブログ』で紹介されました

さて、『誤読と曲解の読書日記』の中で、3月25日に更新した記事、「靴紐をうまく結べない自分を正当化し続けてきた人生にサヨナラを告げたスニーカー/今週のお題:お気に入りのスニーカー」が、今週の『週刊はてなブログ』内の「お題ふりかえり」の中で紹介されました。

初めて「今週のお題」に参加した記事ですが、ビギナーズラックといいますか、とにかく「今週のお題」に参加した記事の中から選ばれました。

3月30日付:愛用の一足やほどけない靴ひもの結び方など、スニーカーに関するエントリーを紹介します/『週刊はてなブログ』
記事リンク:http://blog.hatenablog.com/entry/2017/03/30/175000

これからも、ときどき「今週のお題」に参加して、再びピックアップされるといいなあと思いながら更新しますので、みなさまの応援もよろしくお願いいたします。

管理人からのお知らせ③:Amazonほしい物リスト

Amazonほしい物リストをつくっています。
炭酸水と辞書、読みたいと思っている本を入れております。
このブログともども、ほしい物リストもよろしくお願いいたします。

読書&映画日記管理人のびのほしい物リスト
www.amazon.co.jp


ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
管理人のFilmarks:https://filmarks.com/pc/nobitter73
管理人のtwitterのアカウント:https://twitter.com/nobitter73
管理人のメールアドレス:nobitter73 [at] gmail.com
※[at]の部分を半角の@に変更して、前後のスペースを詰めてください。
『誤読と曲解の映画日記』管理人:のび
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー