誤読と曲解の映画日記

映画鑑賞日記です。

2016-01-01から1年間の記事一覧

永遠の夢は虹の向こうに/『パーマネント・バケーション』

”今この場所”から逃げ出してしまう物語 ジム・ジャームッシュ監督作品『パーマネント・バケーション』、青年期特有の孤独や倦怠、無力感が画面からあふれる作品。青年期特有の孤独や倦怠、無力感。それは、自分でも理由のわからないまま、まわりの世界に倦み…

友情や感動を押し付ける説教はいらない/『ドラえもん のび太の人魚大海戦』

大山のぶ代原理主義ではない 映画『ドラえもん のび太の人魚大海戦』を観た。 わたしはドラえもん映画は大好きで、大山のぶ代がドラえもんの声優を務めていた時代の映画はすべて観ている。しかし、大山のぶ代から声優が交代して以降のドラえもん映画は、いっ…

年齢を重ねても前向きに生きる姿が輝く/『カルテット! 人生のオペラハウス』

「老人は弱虫では生きられない」 映画『カルテット! 人生のオペラハウス』は、ジュゼッペ・ヴェルディ生誕200周年記念作と銘打ったとおり、ヴェルディ作曲のオペラ『リゴレット』をはじめ、華やかな音楽に彩られた作品。舞台は、第一線から引退した元音楽家…

本を読むこと、語り合うこと/『ジェイン・オースティンの読書会』

本を読むこと、そして本を語り合うことの素晴らしさを描いた作品 映画『ジェイン・オースティンの読書会』は、年齢も背景もさまざまな5人の女性たちと、SFマニアの若い男性1人が、読書会を通じて自分の人生を豊かにする物語。一番愛情を注いでいた犬を亡くし…

予言はどこに行き着くのか/『スーパーチューズデー 正義を売った日』

どこかで見たことのあるような陰謀や駆け引き 『スーパーチューズデー 正義を売った日』は、アメリカ大統領選挙の民主党予備選挙を舞台とした作品。大統領選挙への立候補を目指す州知事の選挙キャンペーンチームで働く主人公が、ふとしたきっかけで陰謀や駆…

理想郷までの道のりは遠いけど/『ドラえもん のび太の日本誕生』

家出からはじまる物語 また、ドラえもん映画で恐縮です。『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』の公開日と重なりましたが、この記事は1989年春に公開された『ドラえもん のび太の日本誕生』についての記事です。『新・のび太の日本誕生』の公開日ということを…

もうひとつの「悲しみよ、こんにちは」/『サガン 悲しみよ、こんにちは』

もうひとつの「悲しみよ、こんにちは」 フランスソワーズ・サガンは18歳のとき、小説『悲しみよ、こんにちは』を発表して衝撃的なデビューを果たす。この小説の発表によって、彼女は一躍、膨大な富と世界的名声を手に入れる。しかし、彼女の人生は『悲しみよ…

不条理、それは我々の人生そのものかもしれない/『シリアスマン』

我々の人生は不条理以外の何物でもない 映画『シリアスマン』は、人生の不条理をこれでもかと描いた作品。人生は不条理な不幸に満ちていて、人間がどうあがいても、やがて訪れる終末に立ち向かうことなどできないのかもしれないということを、これでもかと見…

どんな環境でも自分の職分に忠実で誠実であるか/『大統領の料理人』

フランス料理にはあまり縁がない わたしはフランス料理にはあまり縁がない。というより、フランス料理に限らず、あまり豪勢で華やかな料理を食べるということがそれほどない。華やかな料理を口にするのは、結婚披露宴とかかしこまった会食とかそれくらいの(…

友情と勇気を持って不正義へ立ち向かえ/『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』

ベスト・オブ・ベストの映画という位置付け この映画のタイトルは「小宇宙戦争」と書いて「リトルスターウォーズ」と読む。その名前の通り「スターウォーズ」をもじったものだが、宇宙空間での戦闘シーンがあり、遠い宇宙の惑星に乗り込んでいくなど、宇宙を…

映画日記を書きます。

映画日記を書きます。管理人の「のび」が映画を観た感想文を書いて、置いておく場所です。 もともとは、はてなダイアリーに『誤読と曲解の日々』というブログをやってまして、そこに読書日記や趣味の文具について、さらには身辺雑記などあれやこれやを書いま…